国会前で連日抗議行動を続けた若者と熟年世代(2015年6〜9月)


No.395 支持急低下の首相、小手先改造で危機打開?


●語るに落ちる

 

 森友・加計学園疑惑、防衛省「南スーダンPKO派遣自衛隊部隊日報隠蔽問題」疑惑など、度を越した政権私物化や隠匿体質への国民の不信が募るなか、東京都議会議員選挙での自民党の歴史的大敗や仙台市長選挙での「競り負け」を経て、ようやく危機感に苛まれはじめた安倍晋三首相。年初には50%を越えていた内閣支持率も、あっという間に「政権存立危機ライン」といわれる30%切れまで沈み込み、28%との報道さえ流れる始末だ。

 

 こうしたなか、首相が8月3日に踏み切ったのが内閣改造「劇」(第3次安倍第3次改造内閣=表紙写真参照)。内閣の「骨格」と言われる麻生副総理・兼財務大臣や菅官房長官は留任させる一方、首相とともに疑惑の渦中にある松野文科相や山本地方創生担当相、その資質を誰もが疑った金田法相などはやめさせ、この改造まで持たなかった稲田防衛相は事実上の更迭(辞任)、後任には小野寺元防衛相を当てるなど、「ベテラン起用」を強調している。注目は、これまで安倍首相とは一線を画してきた野田聖子氏の総務相、河野太郎氏の外相への起用など、「政権私物化」・「お友だち内閣」・「政権のマフィア化」批判を意識した「挙党態勢の構築」を喧伝していることだ。

 

 「実力本位」「仕事人内閣」――安倍首相はこの内閣をこう自賛している。しかし、「語るに落ちる」とは、まさにこのことだろう。成語林(故事ことわざ慣用句辞典)によれば、「語るに落ちる」とは、「聞かれたときは用心して言わなかったのに、何気なく話しているうちに、うっかり本心をもらしてしまう」こととある。

 この内閣が「仕事人」というなら、前の内閣は何だったのか? 一般的に「仕事人」の反対語は「遊び人」だが、そう考えると、稲田防衛相や松野文科相、山本地方創生担当相や金田法相などは、真面目に国政に取り組まず、不真面目な仕事ぶりから政治スキャンダルにまみれて国費を無駄遣いする「遊び人」以外の何者でもなかっただろう。もっとも、悪政に「真面目」に取り組む「仕事人」のほうが質は悪いのだが……。

 

 ところで、安倍晋三総理をはじめこの「仕事人」たちはどのような「仕事」をしようというのか? 第一は、内閣支持率急落の要因となっている「森友・加計、日報問題」疑惑の解明をさぼり、国民の追及を交して「嵐が去るのを待つ」ことだ。「閉会中審査」に稲田前防衛相や松野、山本前大臣らを証人・参考人として喚問・招聘することを、自民党新執行部が拒否し続けている事に、それは端的に現れている。「説明が不足していた」と「反省」の弁を口にする総理(写真参照)だが、「反省だけなら猿でもできる」とは、少し前のTVコマーシャル。「反省」が「口先だけ」なのは、すでに国民の大方の共通認識だ。

 国民の怒りをはぐらかしたその先にあるのが、首相の悲願である「改憲」であることは、忘れないでおこう。                                (編集部N)