新型コロナ口実に緊急事態宣言狙う安倍内閣      

                             2020年03月15日発行 №426


               「緊急事態宣言」実施を含め「新型コロナ」対策の立法措置を早急に進めると強調する安倍首相(3月2日 参院予算委 TV中継)


〈巻頭言〉

 新型コロナ感染の拡大阻止に失敗、挙句、強権発動で大混乱

                  ―― 安倍政権

 

 中国武漢市で昨年12月に発生した新型コロナウイルスの感染が世界規模に拡大し、「パンデミック」の様相を呈し始めている。

中国では湖北省を中心に感染者が8万人を超え3000人以上が死亡(3月7日現在)、韓国では大邱市を中心に6700人余りが感染、死者が44人に達している(同)。欧州イタリアでは北部を中心に感染者4000人弱、150人弱が犠牲になり(5日)、全世界では92の国と地域で感染者は10万人を超え、死者も18の国・地域で3400人を超える事態だ(7日)。

 

こうした中、日本でも事態は悪化、5日段階でクルーズ船を含めて1057人が感染、うち12人が死亡。ただこの数字は、政府の検査指針に基づくもので米CNNは「日本の新型コロナ感染者は公式統計の10倍ほど(北大・西浦博教授)」との予測を報道している。

問題なのは、安倍政権が初期段階で専門家からの助言を聞かず感染の抑え込みに失敗したことだ。この初動ミスが、後々国民生活を大混乱に陥れることになる。

 

当初誰もが疑問に思ったのは、クルーズ船乗船者への対応をはじめとして、初期段階で感染が疑われる人々に検査がまともに行われず、対策も講じず「重症化して初めて検査」という、信じられない指針を政府が示したことだった。

症状が悪化した患者が、医師や保健所、相談窓口に連絡を取っても、文字通りたらいまわし。そうした結果、さらに重症化した事例も多く、感染も拡大、ルートも特定できない悪循環に陥ったのだ。

 

その重要な原因の一つが、検査体制の欠陥だ。感染症対策の「司令塔」・国立感染症研究所(感染研)が、まったく機能不全に陥っている。現在、「季節性インフルエンザワクチン」の製造から評価まですべてが感染研の管理下で行われ、感染研が国内メーカーによる製造まで差配して「保護」する。その見返りに国内メーカーは「天下りポスト」や研究資金を提供する――そうした腐れ縁がながく続いてきた。そこへ「新型コロナ」事態だ。感染研やメーカーにとってはワクチン、検査キット、治験薬開発が喫緊の課題となり、そこに巨大な利権が生まれる。

 

しかし、海外の巨大製薬独占と競争する力はなく、それがゆえに「独自開発」にこだわり「情報」独占のために検査の民間委託を進めず、そのうちウイルスの感染拡大がすすみ、命を落とす患者も続出する――こうした構図なのだ。

 

スイスのロッシュは武漢でのウイルス発生直後から素早く動き遺伝子検査キットを開発、これを中国に無償で提供している。日本政府の後手後手を見るに見かねた中国大使館が2月14日に1万回分の遺伝子検査キットを寄付しているのだが、その報道はない。

 

こうした政府の初動の決定的ミスを覆い隠したいのか、安倍首相は専門家の意見を聞くこともせず、その後はやたら派手なパフォーマンスに走り、国民生活をさらに大混乱に陥れる体たらくだ。その典型が、小中高校への全国一斉休校要請。それが社会全体にどのような悪影響を与えるかも考えず、「対策を打っている」とのアリバイづくりに執心、国民生活を破壊しかねない様相だ(次頁以下参照)。

 

追い打ちをかけているのが、韓国、中国からの入国者の2週間「隔離」政策。日本経済への打撃はいかほどか。すでに中国での感染速度は下がり、韓国はほぼ抑え込みに成功している段階で、なぜなのか?

 

そしてさらに大問題なのは、この機に乗じて安倍内閣が「緊急事態宣言」を狙っていることだ。「新型インフル特別措置法」改正で、新型コロナウイルスを同法に加えて同宣言を行い、国民生活を政府統制下に置く――私権を大幅に制限する「改憲」の予行演習でもしようというのか。

                                                            (編集部N)