腐臭放ち自壊する安倍政権と「後継」菅義偉      

                             2020年09月15日発行 №432


                                            辞任会見する安倍晋三首相(右)/自民党総裁選への出馬を表明する菅義偉官房長官


「悪夢の安倍政権」ついに幕引き

    ――後継は菅義偉?・・・・・・

 

 「憲政史上歴代最長連続在任日数」を記録した4日後の828日、安倍晋三首相が「持病悪化」を理由に突如、辞意を表明した。

 

第一次政権に次ぐ「政権投げ出し」だ。理由はともあれ、それを聞いた最初の感想は、あまり上品な表現ではないが、「やっと辞めたか、このバカタレが!」だった。

その晩はとりあえずビールで乾杯をしたのだが、よくよく考えてみると、「持病悪化で退陣」だから「同情が集まるかも」との危惧も頭をもたげた。案の定、翌日以降、降下し続けていた「内閣支持率」が上向き、支持・不支持が逆転との報道が相次ぐ。お粗末ながら、それでようやく「持病悪化」というのは演出だったのだと気づく(830日『日経』: 内閣支持率55%=7月より12P上昇/不支持=37%)。

 

この点で的確な評価を下しているのが、白井聡氏(政治学者)だ。「持病悪化は眉唾物」だという(週刊『金曜日』9月4日号参照)。「当人の説明では『6月の定期健診から再発の兆候』」があったというが、「その後、7月一杯までさまざまな面々と会食を繰り返している」からだ。もちろん、その後、長く記者会見もせずに雲隠れしたのち現れた8月半ばには生気をなくした表情だったけれども、一般的に極秘事項とされる「国家の最高指導者の健康問題」を、行きつけの大学病院に通院する車列までTV放映しアピールするのは「非常識の極み」だと白井氏は指摘、これは「周到な戦略」だと暴露する。

 

今年にはいって、辞任表明に至るまでに安倍政権への支持率はすでに急低下、発足以来最低の数字に落ち込んでいく(8月8~10NHK 支持率34%)。

とりわけ新型コロナの感染拡大にたいする政府の無能無策と場当たり的対応には、首相の岩盤支持層といわれていた2030代男性層も批判をつよめ、「モリカケ」問題、「桜」問題など政治を私物化して恥じない首相の態度への違和感は、政権の守護神といわれていた黒川東京高検検事長の異例の任期延長閣議決定とその後の検察庁法改正強行姿勢に抗議する、1000万件にものぼる「ツイッターデモ」へと急拡大してもいた。

さらには、自民党本部が1憶5000万円もの大金を注ぎ込んで元首相補佐官の河井克行法務大臣の妻・案里氏を当選させ岸田派重鎮を叩き落した参院選(広島選挙区)――その悪質な買収事件がばれて夫婦とも逮捕され公判も開始という、ドン詰まりの事態に安倍晋三は追い込まれていたのだ。

 

白井氏は言う。「となれば、課題は『どうやって安全に政権を投げ出すか』というところに定められる」。その「格好の手段」が「体調不良」、「持病悪化」だったのだ。そして、「いまのところ、『早く引っ込め馬鹿野郎』から『お気の毒に』へと大衆感情を転換させる錬金術に、安倍はかなりの程度成功している」――白井氏はそう分析する。

 

 

安倍首相は国会で「悪夢の民主党政権」というフレーズを多用した。いま総裁選レースが始まっているが、安倍後継を自認する菅氏が石破・岸田両氏を破りそうだ。また「第2の悪夢」がはじまるのか?                                                                                                                                   (編集部N