国会前で連日抗議行動を続けた若者と熟年世代(2015年6〜9月)


No.409 早くも見えた安倍政権「終わりの始まり」


《 巻 頭 言 》

 

 ●総裁3選でも目立つ綻び

 

 まず、本号2頁左の写真をご覧いただきたい。9月20日に行われた自民党総裁選で3選されたおりの記者会見で見せた安倍晋三首相の表情だ。この人の特徴というか癖というか、慌てたときには目が泳ぎ急に早口でまくしたてるのだが、もう一つが、この目だ。落胆を押し隠そうとするときにふと見せる虚ろな視線……。

 

 これが何を意味しているかは、すでにご存知のとおり。前回総裁選同様、今回も対立候補は陰に陽に圧をかけて出馬を阻止し無投票当選を狙うが失敗。石破茂候補がしぶとく立候補すれば、こんどは他派閥領袖の鼻面に「大臣の椅子」をぶら下げ丸めこんで対立候補を孤立化させる。今度もこれで「圧勝か」と思いきや、国会議員票はともかく、党員票では石破候補に45%と迫られ「そこそこの勝利」で終わったからだ。

 

 国民大衆の心理から乖離している自民党国会議員の票数よりも、党員票のほうがはるかに「民意」を正確に示すが、自党の党員にさえ、半数近く「嫌われている」実態が露出したのだ(本号「歴史」参照)。

 

 それは、総理「足下の県」山口の萩市にある陸自演習場に建設しようとしている「イージス・アショア」迎撃ミサイル基地の問題でもしかり。地元の人々の「想定外」の抵抗をうけていることにもよくあらわれている。元来、保守の「基盤」と言われてきた農村部、隣接する阿武町の町長が、安倍総裁3選が決まった当のその日に、「反対表明」をおこなったのだ。9月30日には現地で「ミサイル基地反対」の県民大集会も成功している(本号「山口から」参照)。

 

 しかし安倍にとって大誤算だったのは、沖縄県知事選挙の結果だったろう。前宜野湾市長の佐喜真候補には「辺野古」の「へ」の字も出させず「経済発展」、「政府との連携」を掲げさせ、公明党・創価学会を寝返らせて「勝利の方程式」で勝利できる筈……だった。けれど圧勝したのは故・翁長前知事の路線を継承するデニー候補だった(本号「沖縄から」参照)。

 

 安倍総理は3選はしたものの、前途に待ち受けるのは国民の怒りという困難の山だ。         (編集部N)